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偽物だった五十嵐整体療術
痛風で悩んでいた昭和62年頃、創価学会員の岡崎さん(地区壮年部長)が拙宅を訪ねてきてこういった。「正木さん整体を身につけて痛風を治したら」と。即決した。
「整体術センター」田端教室へ行くと、岡崎さんは臨時講師で恩田という女性講師が教えていた。60万円の学費を分割で支払うことで入学した。5ヶ月で卒業した。本科の経らく圧擦整体と専科の関節操作も形だけの授業であった。ツボも30箇所くらいしか教えてもらえなかった。後から思うと稚拙だが、当時はそんなものかと思っていた。
卒業すると即講師を依頼された。それも不思議とは思っていなかった。4ヶ月たった頃は主任講師になっていた。ある日、久留米大学へ留学していた曲龍(チーロン)氏から電話があった。学院長に会いたいと。その頃には、「整体術センター」から私が提案した「東京整体療術学院」と名が変わっていた。
曲龍氏と面会する事になった。学院長と中村営業部長が会った。中村氏は入社して未だ1ヶ月しか経っていない。元読売新聞の記者だったとかで北京特派員をしていたという。中国語が話せたらしい。僕を事務長に押し上げて自分が営業部長に就任したばかりだった。その頃の学院は東京、富山、広島、九州に展開しつつあった。
面談の結果、即座に提携したらしかった。黒竜江省中医学院とである。曲龍氏は講師で全権を任されていた。そして、昭和63年の暮れもおしせまった頃、五十嵐氏と中村氏はハルピンの学院へと旅立った。百万円くらいの中古自動車を手みやげにして。
1週間くらいで帰国した五十嵐学院長は言った。「正木さん大変は事になったよ」と。何でも「名誉教授になっちゃった」という。聞けば、五十嵐氏は「手技」の実演をし、中村氏の書いた文章を読み上げて講演をし、曲龍氏が書いた論文を提出したらしい。
間もなく、中村氏が文案した「学院パンフレット」が出来上がった。そこには【黒竜江省中医学院名誉教授】の襷を誇らしげにかけた五十嵐清守学院長の写真が掲載されていた。そのころから入学希望者が急増した。
生徒に要望されても「未だ未熟だから」と1ヶ月経っても卒業させない僕に、学院長は「1ヶ月で卒業させる約束だから早く卒経させなさい」と叱った。要は生徒は技術より【認定書】が欲しかったのである。生徒は認定書さえもらえば開業できると思っていたらしかった。それでは金儲けの開業であり、患者さんにとっては危険でありたまったものではない。厚生労働省も「お金儲け医療」の見方であるから、国民の健康のための悪徳治療取り締まりなど、いまだにお構いなしである。利益優先の悪人行政情けない。
他にも、60万円の学費を払った生徒を恩田講師に朝9時から夜9時まで特別授業させて3日で卒業させたという事例もあった。
ある日、僕は学院長にいった。「もっと堅実な学院にしましょうよ」と。学院長の儲け主義の経営は改まらなかった。
どうもおかしいと学院長の経歴を調べたくなった。事務長の立場だから書類はある。本科の経らく整体を習ったという石川県の東洋護健術(中国整体系)へ電話した。支部長が出て「五十嵐氏は日曜講義を1年間勉強していたが準会員で辞めた」との事だった。また、専科の整体術を習ったという東京上野整体道場(鴬谷)へは電話して直接訪ねた。加藤先生が言うには「五十嵐は3ヶ月くらいしか勉強しなかった。しばらく来ないと思っていたらワシの名前を語らって勝手に学院を開いていたとわかったので破門した」との事である。その証拠として僕(正木)と恩田(妻)の認定書を挙げる。
僕には「20年間治療院をやっていたが患者さんから教えてくれと言われて学院を開いた」と言っていた学院長を問いつめたらしらを切ったので講師の職を辞した。
古武道由来の加藤整体術
五十嵐整体がどうもおかしいと思い鴬谷の東京上野整体道場に加藤先生を訪ねた。すると先生はこう言った。「五十嵐は3ヶ月しかいなかった。北陸方面から数人の生徒をつれてきて支部長にしてくれというので許可をした。しばらく来ないと思っていたら私の名をかたって教室を開いていたので破門した」と。昭和58年頃の話らしい。
五十嵐氏は私と中村氏にはこう言っていた。「夢の中で手技を思いついた」と。それが、すなわち東洋護健術の経らく整体を本科とし、加藤整体を専科として、手順だけ教えて稼ぐ教室を開くことだったのである。治療院を開いていた形跡は全くない。いわゆるペテン師であり、なおかつ、加藤先生の印鑑を偽造して、無承認のまま加藤先生を全国療術師会会長にして「整体術センター」という教室を開いて荒稼ぎをしていた詐欺師だったのである。
加藤先生は「整体術手技法」を写真付きで詳しく解説した本を1万円で販売していた。そのために五十嵐清守のような悪人に利用されてしまったのである。私は改めて加藤先生に、その本にもとづいて手ほどきを受けた。すると五十嵐とは全く違っていた。もちろん、五十嵐は加藤整体の本を生徒には示さなかった。
加藤整体のいわれを聞くと、明治の柔術家であった水藤氏が柔術の活法から生み出したものだという。水藤氏は資産家だったので友人知人に無料で手技をして腰痛や頭痛を治していたそうである。それを聞きつけて当時の有名人も来たそうだ。お金を受け取らなかったので、部屋中にお礼の品々が山積みされていたのだそうだ。加藤先生は11年間師事して免許皆伝となった。「私は貧乏だから治療院を開いてお金をもらっていいですか?」と聞くと「いいだろう」と水藤先生がいうので治療院を開いたそうである。38歳から93歳で亡くなるまで55年間の開業であった。ちなみに、「整体術」と名付けたのは先生だそうだ。
こんな話もしてくれた。指圧師としてマリリン•モンローを指圧して一時有名になった浪越徳次郎とは友人だったという。ある時、浪越が「一緒に学校を開こう」とさそった。すると「手技が違うからダメだ」ことわったとのこと。それくらい加藤先生は堅物だった。そして、一人で厚生省に赴き整体を法制化してくれと陳情に行ったら整体には「指圧の経らく」のような理論の裏付けがないからダメだと断られたと言っていた。
また生まれは忍者の家系だったそうで忍術もできるといって牢屋の格子戸(昔の事だなあ)なんかもスルリと抜けられるなどど自慢もしていた。(笑)
私が、塩川スクールで習ったガンステッドとかAOTの手技を実演してみせたら感心していた。そして、わずか4年位で師範免許を頂いた。それを大阪の加藤門下の先生に電話で話したら「加藤先生の整体は10年はかかる」といって信用してくれなかった。
今、正木整体ホールインワンテクニック(MSHT)には、加藤整体理論が入っている。
カイロプラクティックの始まり
カイロプラクティックは、1895年アメリカでダニエル・デーヴィット・パーマー(Daniel・David・Palmer)によって再発見された脊椎矯正療法のことである。この脊椎矯正療法はすでに古代ギリシャ(紀元前450年頃)の医者で「医学の父」とよも称されるヒポクラテス(Hippocrates)によってなされていたので、ギリシャ語で手技の意味のカイロプラクティコにちなんで英語でカイロプラクティックと命名された。
この療法は手技によって歪んだ骨格を矯正し、神経の不調を回復させ、生命治癒力を回復させ、疾病にに外道的に対処する療法である。
A.D130年頃 小アジアのペルガモンにゲーレンという人がいた。ギリシャのアレキサンドリア医学校を卒業し、しばらくは故郷で開業していたが、後にローマに出て開業した。ある時、右手のしびれを訴える患者があって、それを頚椎の骨を調整することによって治したというエピソードが残っている。
ヒポクラテスは医者であった。彼は手術や薬物治療もできたが、あえてそんな対症療法をとらなかった。手術や薬のように生命の自然治癒力(免疫力)を低下させる治療法ではなく、自然療法としての脊椎矯正療法をおこなっていた。
彼は、次の様に述べている。
「膀胱結石には截石術を施さず、それを生業とする者に委せる。」
「自身の能力と判断に従って、患者に有益と思う治療法を選択し、害があると知る治療法を決して行わない。」
「薬で病気は治らない」
「骨について勉強しなさい。骨からいろいろな病気が発生する」
なぜ手技が多くなってしまってのか?
それはカイロプラクタィックがまだ未完成という証拠である。現在、世界中には100種類以上のテクニックがあるといわれている。カイロプラクティックは、二元論の西洋で生まれた故に、分析哲学的•科学的であり、総合ができず、次々と新しいテクニックが生まれる素地がある。
D.D.パーマーのメリック•リコイル•テクニック
1845 D.D.パーマーはカナダ・オンタリオ州ポートペリーで生まれる。
1886 アイオア州デブンポートで手からの磁気治療を始める。
その後、磁気治療に限界を感じた彼は、ヒポクラテスの脊椎矯正療法を知って、それを試したいと考えていた。
彼の召使いで難聴であったハービー・リラード氏の頚椎の一部が突出していることに着目し、それが原因と考えて、その変位した椎骨を正常に戻したら17年間におよぶ難聴が治ったという。
1895 この手技はサムウエル・ウィード氏によってカイロプラクティックと命名される。
1897 アイオワ州ダベンポートにパーマー・スクール(初のカイロプラクティックスクール)を設立する。
1906 当時の米国の法律では医師は自己申告制であり、医師でない者の治療は禁じられていたが、D.D.パーマーは自分は医師ではなくカイロプラクターであると主張、医師法違反の罪により23日間収監される。
出所後、カイロプラクティックを広めるために後のシカゴのナショナル・カレッジやロサンゼルスのクリーブランド・カレッジ等の設立に関与する。メリック・リコイル・テクニックを開発する。
メリック・リコイル・テクニックは、脊柱を触診し、後方或は側方にズレた骨を見つけて、その骨を整列する方向にリバウンドするように押し返すという手技である。彼がハービー・リラードの難聴を治した椎骨は頸椎2番であった。
しかし、後に学校を創立すると、本当のことは息子のB.J.パーマーにだけ教えて、他の生徒たちには、背中の骨を押して難聴を治したと嘘をついた。その、嘘を教わった生徒たちは、治療院を開いても、患者さんの病気を治せない。嘘の手技を教わったのだから治せないのは当然であった。
治療では稼げない多くの生徒たちは学校をつくって生活した。
臨床治療経験もなく、骨格矯正技術もなく、病気を治せない先生が教師となったので、ただ、骨を動かす手技だけが優先されて、あつちからポキポキ・こっちからポキポキというようなテクニックや数多くのテクニックが誕生した。デバーシュファイドテクニックとは多種多様のテクニックという意味である。
人は悪いと解っても自分が覚えたテクニックに終生執着していく習性がある。悪いテクニックを捨て去って、善いテクニックを用いていくのがカイロプラクターに課せられた大きな課題である。大切なのは平面的なテクニックの歴史観ではない。取捨選抜して最高にすばしい完成された一つのテクニックに統一することである。そうでなければカイロプラクティックの法制化は永遠に来ない。
現在、アメリカには17校の大学があるが、ほとんど基礎的にデバーシュファィドテクニックが教えている。他に、トムソン・ピアーズ・SOT・ガンステッド・AK・ローガン・AOT・その他のテクニックがある。
ターグルリコイルテクニック
1882 アイオワ州のワット・チアーで生まれる。
1902 パーマー・スクールを卒業する。
1906 パーマー・スクールの学長となる。
1910 メープル夫人が解剖学を教え、X-RAY画像を骨格構造検査に応用する。
1915 アーカンサス州で最初のカイロプラクティック法が施行される。B.J.パーマーはメジャー・サブラクセイションの概念を提唱する。生命治癒力を低下させているサブラクセイション(神経圧迫している椎骨)は全身に数ヶ所しかないという考え方を示す。
1923 ニューロカロメーター(神経圧迫測定器)を開発してとり入れる。
1930 環椎(C1)のローテーション変位が解明される。
1933 ターグルリコイルテクニックによるホール・イン・ワン(1ヶ所から1回の調正で全椎骨が整うとする)学説を確立する。メジャー・サブラクセイションは身体に1ヶ所のみで、それは上部頚椎(C1)の確率が高いという考え方である。バーテックス(頭頂)方向がX-RAYにとり入れられて、C1(アトラス)のみをアジャストするターグルリコイルテクニックを不動のものにした。
1935~1956 パーマー大学ではターグルリコイルテクニックのみを教える。
1957~1961 後にマイナー サブラクセイション アジャストに言及。他界するまでにパーマー方式カイロプラクティックの基礎を作った。
ハービー.リラードの本当の矯正箇所を教わったB.J.パーマーは、頸椎2番椎骨調整を研究した。ここには、頭蓋と頸椎の1番・2番を連結する環軸関節という要所があった。
B.J.パーマーは長年研究の後、そこからの1回のアジャストで全体の椎骨の歪みが一遍に整うということを発見した。それをゴルフのホールインワンになぞらえて、ホールインワンテクニックと呼んだ。
メジー・サブラクセイションは脊柱に1カ所だけであり、それは上部頸椎であるとして、そこからのアジャストのみで足りるとするホールインワン(Hole In One)学説を提唱した。
いわゆる上部頸椎からのホールインワンテクニックであるターグル・リコイル・テクニックを創始して、1935年から1956年までのパーマー大学ではこのテクニックだけを教えた。
1カ所からの1回のアジャストで足りるとしたホールインワン学説ではあったが、完全なテクニックとは成らなかった。それは、1956年から1961年にかけてB.J.パーマーがマイナー・サブラクセイションをアジャストする場合もあるとしてホールインワン学説を自ら否定したからである。
ガンステッドテクニック
ガンステッドテクニックの創始者。椎骨及び骨盤の変位を割り出すX-RAY線引法を確立する。
椎骨は、まず後方へ変位するという考え方を示した。メジャー サブラクセイションアジャストという考え方と、椎間板の生理的機能を重視したアジャスト法は、オーソドックスな手技であり、修得するのが難しいのでアメリカでも日本でも上手にできる人が少ない。
フル・スパイン・テクニックを開発し、295ものリスティングを生み出したクレアランス・ガンステッドも、晩年になるとB.J.パーマーのホールインワン学説に同意して、自らの295ものリスティングを捨て去っている。
そして、次のように述べている。
「カイロプラクターは患者の体を触りすぎる。30~40分と患者は長く体を触ってもらいたがる。それをがまんして、悪いところだけを1カ所アジャストして済ませるのが上手なカイロプラクターである」
「どの椎骨を、いつ、どのようにしてアジャストしたらいいのか知っているのが善いカイロプラクターだ」
「自然治癒力は脳の中の延髄にある。アトラスはそこに一番近いところにある。だから、アトラス調整が大事である。
「根源のサブラクセイションは1カ所であり多くても4カ所である。、1カ所アジャストして後は自然に任せなさい」
そして、彼はメジャー・サブラクセイションのアトラスを1回及び2回アジャストするという、ガンステッド流ホールインワンテクニックで治療した。しかし、そのホールインワンも完全なものではなかった。
それは、
「上部頸椎のみを治療すればよい。ただし、事故などにより、胸椎などの交感神経をアジャストする必要もある」
として、B.J.パーマーと同じく、マイナー・サブラクセイションをアジャストする場合もあるとして、ホールインワン学説を否定したからである。
トムソンテクニック
クレイ.トムソン ( Clay Thompson )によって開発された。トムソン・テーブル(電動ドロップ・テーブル)を開発する。
ディアーフールド・トムソン・レッグチェック(足の検査法)から、骨盤の変位と頚椎症候とを関連づけた数種のカテゴリーに分けて、メジャー・サブラクセイションを特定する検査法を確立する。
脊柱を総合矯正するホールインワンではなく、脊柱ラインを分断的にアジャストする悪いテクニックである。
仙骨後頭骨テクニック(SOT)
M.B.デジャネット( Major Bertland DeJarnette:18999~1992 )によって開発された。デジャネットはオステオパシーをDr.スティールに師事、頭蓋骨調整法をDr.サザランドに師事した後にリンカーン・カイロプラクティック・カレッジを卒業した。
その後、仙骨後頭骨テクニック(SOT)の開発を始める。そして頭蓋骨調整法、内臓反射療法、四肢テクニックなどを集大成する。脳脊髄液の流れの改善を重視し、骨盤の下にくさび形のブロックを挿入して患者の体重・呼吸を使用してアジャストする。
脊柱を総合矯正するホールインワンではなく、脊柱ラインを分断的にアジャストする悪いテクニックである。
ピアーズ スティルワーゲン テクニック
ピアース(Walter Pierce)とスティルワーゲン( Glenn Stillwagon )によって開発された。トムソン・テーブルにピアーズヘッドピース付けてアジャストする。頸椎5番をアジャストすることによって環椎1番が連動してホールインワンになるとする。
確かに、上はC1まで、下は腰椎5番までは矯正力が連動するが、頭蓋•骨盤までは矯正力が及ばない。したがってホールインワンとは成らず、同一治療日に数カ所からアジャストするので、脊柱ラインを分断する悪いテクニックである。
アトラスオーソゴナルテクニック(AOT)
B.J.パーマーのホールインワン学説を受け継ぎAOTというホールインワンテクニックを創始したのはロイ・スウェット(Roy.W.Sweat )である。頸椎1番(アトラス)の横突起をアジャストして、頭蓋と頸椎ラインを正しい角度(オーソゴナル)に持ってゆきホールインワン矯正をするというコンセプトは、米国のカイロプラクティックの中では唯一のホールインワンテクニックである。
しかし、問題は左右のアトラス横突起からのアジャストでは、正しいホールインワンとは成らず、BCS(両側頸椎症候群)が治らない。それは、BCSの原因である環軸関節の離開を調整することが、アトラス横突起(一角)からのアジャストでは無理だからである。BCSの無い患者に関しては、治癒率が非常に高い。そして、無痛安全なテクニックといえる。よくても50%の患者さんしか治せない。
日本の医療行政の欠陥
現行医療の成立と現在
現行医療は明治16年に発布された。約2年間にわたって明治政府は東洋医学と西洋医学を比較検討した。結果、即効性のある物理的なドイツ医学に軍配を上げた。それまでの、御殿医まで排出していた東洋医学を廃止しての暴挙である。これは黒船以来の低級な外道思想に感化された政府関係者の【西洋かぶれ】の結果であった。それから約130年間、いまもって低級な物理医学のみをもって日本の唯一の医療と定められている。これで果たして善いのだろうか?
東洋医学には少なくとも患者を人間的に診る善さがあった。ヤブ医者も居たが名医と呼ばれる者も居た。それは人間的に(心身両面を)診察したら診断も処方も難しい。しかし人間の病気を物理(身体)的所見のみで判断し物理的な処方しかしない現行医療の医者たちよりも正しかったのだ。
昨日まで御典医を務めていた医者たちが、外道が制定した法律に縛られて、いきなり医者で無くなってしまう。これほど理不尽な事があろうか?そのかわり少々外道医学を学んだ若造が医者となる。全く無智な為政者に支配された民衆ほど哀れな者はない。その悲哀が130年も続いているのだ。国民も政治家も、もうそろそろその事に気づいても良さそうなものである。
一方、昭和6年頃より渡来した西洋生まれのカイロプラクティックは、その物理的な診断の上に人間的な所見を置く故に、東洋医学と同類とされている。
日本医師会に牛耳られた政治家•医療行政者たちは、既得権益を日本医師会にだけに与え、自分たちも甘い汁を吸っているのだ。これって商売的に云えば独占禁止法に抵触する事であろう。
医者たちは病気の治療を金儲けの手段と考えている。がん患者が一人きたら抗がん剤を使えば300万以上儲かるのだ。止められない。保険会社も300万円用意できない貧乏人を相手に儲けている。
厚生労働省の役人たちは医者たちの既得権益を守る番人である。
平成3年頃は、全国的にカイロプラクティック法制化の機運が盛り上がった。当時、私も7000名位のカイロプラクターの一員として日比谷の憲政会館に集って、小泉純一郎厚生大臣に法制化を訴えた。
政治家の働きで、厚生省もやっと重い腰をあげてカイロプラクティックの効果を試す動きとなった。そして「脊椎原性疾患の施術に関する医学的研究」のための研究会を設けて検討を行ったのである。
しかし、それは「上から云われたからやる」というような、おざなりの見せかけに過ぎなかった。
その事は、研究•審査に当たった者たちが、三浦幸雄(東京医科大学教授•主任研究員)であり、他の協力者たちは石田 肇(日本医科大学教授)、大谷 清(国立療養所村山病院副院長)、河端正也(虎ノ門病院整形外科部長)、黒川高秀(東京大学医学部教授)、高瀬佳久(高瀬整形外科病院院長)、信原克哉(信原病院院長)、平林 例(慶応義塾大学医学部整形外科学助教授)というように、全員がカイロプラクティックを法制化させたくない医療関係者たちで占められていた事でも判明するのである。
私は平成16、7年頃、一人で厚生労働省に赴き【カイロプラクティック法制化】を訴えたが、万人の署名を持って一昨日来いというように、検もほろほろに追い返された。
平成3年の医事第58号通達への私見
正木敏夫
医事第58号通達への反論
近時、カイロプラクティックと称して多様な療法を行う者が増加してきているが、カイロプラクティック療法については、従来よりその有効性や危険性が明らかでなかったため、当省に「脊椎原性疾患の施術に関する医学的研究」のための研究会を設けて検討を行ってきたところである。 今般、同研究会より別添のとおり報告書がとりまとめられたが、同報告書においては、カイロプラクティック療法の医学的な効果についての科学的評価は未だ定まっておらず、今後とも検討が必要であるとの認識を示す一方で、同療法による事故を未然に防止するために必要な事項を指摘している。
カイロプラクティック療法は、現在世界的に多種多様な手技が行なわれており決して評価が定まっているわけではない。しかし、少なくともアメリカに於ける15種類の主要テクニックは科学的にも効果が認めらている。日本におけるカイロプラクティックは玉石混交の状態で混沌としており、そこで為政者による政治的判断での法制化が期待されるところである。
こうした報告内容を踏まえ、今後のカイロプラクティック療法に対する取扱については、以下のとおりとする。
(1)禁忌対症疾患の認識
カイロプラクティック療法の対象とすることが適当でない疾患としては、一般には腫瘍性、出血性、感染性疾患、リュウマチ、筋萎縮性疾患、心疾患等とされているが、このほか徒手調整の手技によって症状を悪化しうる頻度の高い疾患、例えば、椎間板ヘルニア、後縦靭帯骨化症、変形性脊椎症、骨粗しょう症、環軸椎亜脱臼、不安定脊椎、側湾症、二分脊椎症、脊椎すべり症などど明確な診断がなされているものについては、カイロプラクティック療法の対象とすることは適当ではないこと。
カイロプラクティック療法には主要な15種のテクニックがある。どんなテクニックを俎上にのせて研究審査したのか判らない。おそらく一番多いディバーシファイド・テクニックではなかったかと思われるが、やるなら15種のテクニックを研究審査してほしかった。
以下は、Wikipediaによる【カイロプラクティックで主に使用されるテクニックの種類とその使用頻度】である。
ディバーシファイド・テクニック (96.2%)
四肢のテクニック (95.4%)
アクティベータ・メソッド (69.9%)
トンプソン・テクニック (61.3%%)
ガンステッド・テクニック (57.2%)
コックス・テクニック (56.5%)
仙骨後頭骨(SOT)・テクニック (49.6%)
アジャスト・インストゥルメント (40.3%)
頭蓋・テクニック (38.0%)
アプライド・キネシオロジー (37.6%)
ニモ・レセプター・テクニック (33.6%)
ローガン(ベーシック)テクニック (26.0%)
ホール・イン・ワン・テクニック(パーマー・上部頸椎・テクニック、またはターグル・リコイル・テクニック)(25.7%)
ピアーズ・スティールワゴン・テクニック (15.4%)
メリック・テクニック (15.1%)
(2)一部の危険な手技の禁止
カイロプラクティック療法の手技には様々なものがあり、中には危険な手技が含まれているが、とりわけ頸椎に対する急激な回転伸展操作を加えるスラスト法は、患者の身体に損傷を加える危険が大きいため、こうした危険の高い行為は禁止する必要があること。
(3)適切な医療受療の遅延防止
長期間あるいは頻回のカイロプラクティック療法による施術によっても症状が増悪する場合はもとより、腰痛等の症状が軽減、消失しない場合には、潜在的に器質的疾患を有している可能性があるので、施術を中止して速やかに医療機関おいて精査を受けること。
(4)誇大広告の規制
カイロプラクティック療法に関して行われている誇大広告、とりわけがんの治癒等医学的有効性をうたった広告については、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律第12条の2第2項において準用する第7条第1項又は医療法(昭和23年法律第205号)第69条第1項に基づく規制の対象となるものであること。
脊椎原性疾患の施術に関する医学的研究
主任研究者 三浦幸雄(東京医科大学教授)
研究協力者
石田 肇(日本医科大学教授)
大谷 清(国立療養所村山病院副院長)
河端正也(虎ノ門病院整形外科部長)
黒川高秀(東京大学医学部教授)
高瀬佳久(高瀬整形外科病院院長)
信原克哉(信原病院院長)
平林 例(慶応義塾大学医学部整形外科学助教授)
1.研究目的
カイロプラクティック等の脊椎整体施術の理論の医学的妥当性及び施術における検査手法の医学的有効性、調整術の有効性、危険性等を明らかにするとともに被害例の検討を行い、カイロプラクティックについての医学的評価と考察を行うことを目的とした。
2.研究方法
カイロプラクティック理論の医学的妥当性を検討するため、関連文献の調査を行うとともに、カイロプラクティック施術者より理論や手技に関する意見聴取を行い、さらに、カイロプラクティック施術者による実技を体験し見学を行った。
また、わが国における被害症例の調査・分析も行った。
3.研究結果
1)カイロプラクティックの理論と療法に関せる検討と見解
ア)基本的理論
カイロプラクティックとは脊椎と骨盤の位置関係の異常を矯正することにより様々な疾患を治療する技法である。その原理は、脊椎が正しい位置から逸脱すると脊椎以外の様々な部位に機能障害をきたすという考え方を基本としている。しかし、これは、医学的病態にに基づく治療理論ではなく、理論というより理念というべきものである。しかもカイロプラクティックでいう脊椎の位置異常と他の疾患との関係については、現代のいかなる科学的方法をもってしても証明されていない。
カイロプラクティックにおいて、理念の中心となる”サブラクセーション”とは、様々な原因によりもたらされる脊椎の関節の異常(変位)であり、主として術者の触診によって認知される隣接関節構造の解剖学的、動力学的、生理学的alterationともいわれる。しかし一方では”サブラクセーション”があっても必ずしも自覚症状があるとは限らないとされている。この”サブラクセーション”は医学用語でいうsubluxation(亜脱臼)とは異なるもので、X線検査等によって証明できず科学的定義は不明確であり具体性、実証にに欠ける。更に医学的にみて”サブラクセーション”と愁訴・症状との因果関係を現時点では証明することができない。
確かに、そのような理論で行われているカイロプラクティックもあるが、それがすべてではない。最新のカイロプラクティック理論が外にあるのである。
イ)脊椎のみかた
カイロプラクティックでは、問診、視診、も行うが、脊椎の触診が重視されている。パーマー系、ナショナル系といった学派によって表現が違っているが慣れた者が行えば、棘突起のみならず乳頭突起、関節突起まで触診するという。そしてmotive palpationという脊椎を動かしながら触診をし、関節可動域の減少、hypermobility,hypomobility(fixation)をみ、その左右差をもみるという。また筋の硬結、緊張、膨隆、圧痛も触診するとしている。
しかし脊椎を皮膚の上から触診することは棘突起を除いては難しく、とりわけ乳頭突起の触診は、解剖学的にも不可能である。脊柱湾曲、運動領域は触診である程度知り得るが、客観性は乏しいものである。また、筋硬結、圧痛等は触診で知り得るが、これが脊椎の位置異常に起因するかどうかは触診のみでは鑑別できない。
本研究班では、カイロプラクティク師による実技の見学も行ったが、施術師により触診法に大きな違いがみられた。診察法、所見のとりかたは人体の解剖学的知識に基づくものではなく主観的、非科学的である。例えば環軸椎の触診、脊椎乳頭突起の触診をしているとは思われず、誤りが多いといえる。また、医学的なsubluxationがあったとしてもこれを触診で判断することは不可能である。他方”サブラクセーション”はX線検査でも必ずしも把握できないといわれており、これが実在するかどうかを科学的に証明する手段がない。
代表的な15種類のカイロプラクティックは、それぞれに検査法・施術法が異なっている。
ウ)手技(療法)
基本的には脊椎と骨盤に対する徒手調整がカイロプラクティック療法であるが、物理療法、運動療法、更には食事療法も行う者もいる。徒手調整法には様々なテクニックがあるようであるが、瞬間的矯正を行うスラスト法、筋緩和を行うマニュピュレーション法などが主なものである。実技見学を行ったところ、頸椎に対する急激な回転伸展操作を加えるスラスト法は極めて危険であるといえる。また、理学療法で用いられている手技に酷似したものもみられた。脊椎の位置異常のような構造的変化は、このような徒手調整という手技では治療し難く、かつ危険である。また仮に”サブラクセーション”というものがあるとしても、このような手技で治療するとすればそれは再発もし易いのではないかと考えられる。
エ)有効性
カイロプラクティックの作用機序については、”サブラクセーション”の除去による過敏性低下、痛み域値上昇、交感神経緊張の緩和、などと説明されているが、有効性については施術者自身も経験的なもので、科学的理論付ができていないことを認めている。
適応となるのは”サブラクセーション”により発生したと思われる症状であり、器質的疾患でも痛みの軽減が対象となったり、胃潰瘍等でも軽症例に対し、自然治癒力の向上を目的として適応となり得るとしている。効果判定は、患者の訴えの軽減、消失、姿勢の矯正、サブラクセーションの是正、運動性の改善により総合的になされるとしている。
しかしながら。適応の決定、効果の判定がいずれも術者の主観的要素が強く、医学的評価に需要な再現性がない点が問題である。
オ)危険性
カイロプラクティックの禁忌は、腫瘍性、出血性、感染性疾患等とされているが、術者によっては、リウマチ、筋萎縮性疾患、心臓疾患も禁忌に含めている。しかし徒手調整の手技によって症状を悪化し得る頻度の高い疾患、例えば椎間板ヘルニア、後縦靭帯骨化症、変形性脊椎症、側湾症、二分脊椎症、脊椎すべり症などがあり、これらは禁忌の対症に含められるべきである。
禁忌の除外は、日本においては、各種医学的検査等の診断が施術者自身では行えないので、問診が中心となる。多くの場合、他の医師の診断を受けているため、問題はないと主張している。また、施術の一般的危険性は医学的基礎がない人、またあってもカイロプラクティックの理論を学ばなければ危険であるとされている。
2)わが国における実害例の検討
本研究会では、カイロプラクティック理論に関する検討を行うとともに個別の具体的症例に基づき、被害の検討を行った。
被害例については、日本臨床整形外科医会の協力を得、その会員から報告された症例を検討するとともに昭和60年度に日本整形外科学会により収集された症例の分析を行った。また、側湾症患者に対するカイロプラクティック施術の影響について、国立療養所村山病院整形外科
外来通院の側湾症患者を対象としたアンケート調査により検討した。
以下に症例が縷々あげられているが、如何なるテクニックについての症例であるのかを明記して戴きたい。玉石混合の我が国カイロプラクティック業界である。もしかしたら偽物であったかも知れないのである。
<症例1>
●49歳、女性
(主訴)
頚の痛み
(現病歴)
カイロプラクティックにて、頚の痛みの治療を受けた。音がしないと3回矯正された後、痛みも軽減せず、頭痛感、食欲不振、両手のだるさが出現。
(X-P所見)
生理的湾曲が逆転し、C5/6頂点の後湾変形があり、C3/4での軽度前方すべり、C5/6での著明な椎間板変性とC5下面C6上面における変形性変化が著明である。同レベルにおける椎間孔は、右側でやや狭くなっている。
(コメント)
本例は、変形性頸椎症が基礎疾患として存在していたものに、調整術により、神経根症状を招来したものである。<対象例>
<症例2>
●80歳、男性
(主訴)
左下肢痛
(現病歴)
2日まえから左下肢痛が出現し医療機関受診、加療を受けるも歩行痛が出現したため、友人の勧めでカイロプラクティック受診し加療を受けたところ歩行困難となり、医療機関入院となる。
(X-P所見)
腰椎は傾斜し、多発性の椎間板変性があり、特にL4/5、5/Sに強く、L4/5椎間板腔は殆ど消失している。前従靭帯の骨化が著明で、椎体間の架橋形成が進行している。
(腰椎部脊髄造影像)
L4/5を中心とした造影剤の通過障害があるが、脊椎間狭窄の所見である。
(コメント)
本例は、変形性脊椎症による脊柱管狭窄状態にカイロプラクティックのために神経根症状の増悪をきたした症例である(反論)。<対象例>
<症例3>
●61歳、男性
(主訴)
両上肢しびれ
(現病歴)
両下腿の痛み、しびれが出現、医療機関へ通院、加療を受け、症状改善。その後、カイロプラクティック療法を受け、両上肢のしびれも上行し医療機関再診となる。
(X-P所見)
頸椎C1~5の混合後縦靭帯骨化があり、脊柱管の狭窄はC4/5で最高である。C5~7には前縦靭帯のの骨化もあり、強直性脊椎骨肥厚症の合併が考えられる。
(コメント)
本例は、頸椎後縦靭帯骨化症に対しカイロプラクティックを行い脊髄症状を増悪したものである。<対象例>
<症例4>
●79歳、男性
(主訴)
左肩痛
(現病歴)
10年前に左肩痛出現し、医療機関にて後縦靭帯骨化症の診断を受け、加療していた。左下肢のマヒが進行したため、カイロプラクティック療法を受けたところ左上下肢完全マヒとなり、再度施術を受けたら四股マヒとなった。膀胱直腸障害出現したため、医療機関再診、入院加療を受けるも改善がみられなかった。
(X-P所見)
C1/2レベルよりC4にかけての広汎な混合型後縦靭帯骨化が認められ、C5/6では著明な前従靭帯骨化がありC4/5での異常可動性があった。脊髄造影では著明な脊柱管狭窄がある。
(コメント)
本例は、頸椎後縦靭帯骨化症による脊髄症に対し、カイロプラクティックを行い、器質的障害が極度に増悪したものである。<対象例>
イ)昭和60年度に収集された症例の分析
昭和60年度に調査され、日本整形外科学会より報告された実害例54例について分析した結果、それらの病因性は下記のとおりに分類された(表1)。
すなわち本施術によって発症、増悪させられた積極的障害例では、その障害部位は頚・腰の脊柱部を主とし、股・肘関節部にもみられ、損傷された組織は脊髄・馬尾・神経根が最も多く、ついで関節(捻挫)と骨(骨折)であった。
本施術によって治癒機転が阻害された積極的障害例は、椎間板炎の2例にみられた。また、本施術によって医学的治療の開始が遅延または中断された結果、症状の増悪をみた消極的障害といえる実害例が脊柱側湾症の7例にみられた。
以上の実害例から、カイロプラクティックの施術のもつ障害性は明らかとなったが、さらにその障害機序は下記のとおり整理される(表2)。
すなわち本施術によって発症、増悪させられる積極的障害としては、暴力的操作によって各関節を捻挫させ、脊椎・肋骨・大腿骨を骨折させる可能性があり、その結果、疼痛を惹起する。また、骨粗しょう症、OPLL、OYL、椎間板症、腫瘍などが既存すれば、暴力的操作は勿論、たとえ非暴力的操作であっても骨折やヘルニアを発生させる可能性があり、その結果、脊髄や神経根が損傷されて麻痺に至る。
椎間板炎などと知らずに、本施術を行えば自然治癒機転を阻害し、病変を増悪せしめることは明白であり、これも積極的障害の範疇に含まれる。
一方、脊柱側湾症などに対して(甘言を弄し)施術知ることもまた、正当な治療を受ける機会を遅延もしくは中断させることによってそれだけ治療効果を損なうことになるため、消極的障害に該当するといえよう。(反論7)
表1.54実害例の分析
表1.実害例からみたその病因性
ウ)側湾症患者の検討
脊柱側湾症患者300名を対症としてカイロプラクティックについてアンケート調査を行い、162名から回答が得られた。162名中11%がカイロプラクティック施術を受け、12名が何らかの効果があったと回答して来た。効果の内容は肩、背中、腰の張り、痛みが施術後和らぐとの主観的効果があり、背中の曲がりがよくなったという回答はない。効果ありとして回答してきた1例を以下に示す。
13歳、女性、特発性側湾症
12歳のとき側湾を指摘された。その時、側湾症は37°であった。カイロプラクティックの施術を週1~2回約1年受けた。施術後は肩凝り、腰の張りが和らいで。13歳のとき側湾症は47°と進行していた。以後医療機関にて適切な治療を受けている。
当該患者の側湾は進行性であり、カイロプラクティック施術中にかなりの側湾進行がみられている。カイロプラクティックにより正当な治療の時期が遅延した消極的被害例である。カイロプラクティック施術により器質的側湾の改善は絶対得られない。施術後、背中、腰の張り、痛みが一時的に和らぐといった主観的評価をもって効果ありと判定している。<対象例>
施術者のみならず、国民一般にも、理解を求め、カイロプラクティックによる事故を未然に防止する必要がある。
ア)禁忌対象疾患の認識
既に述べたように、カイロプラクティックの禁忌は、一般には腫瘍性、出血性、感染症疾患等とされているが、術者によっては、リウマチ、筋萎縮性疾患、心臓疾患等も禁忌に含めている。<反論1>
イ)危険な手技の禁止
既に述べたように、カイロプラクティックの手技には様々なものがあり、中には危険な手技が含まれている。とりわけ頸椎に対する急激な回旋伸展操作を加えるスラスト法は、患者の身体に損傷を加える危険が大きいので行うべきではない。
ウ)医学的治療の遅延防止
長期間あるいは頻回のカイロプラクティック施術によっても症状が増悪する場合はもとより、腰痛等の症状が軽減、消失しない場合には、潜在的に器質的疾患を有している可能性があるので、施術を中止して速やかに医療機関において精査を行う必要がある。スラスト法による脊椎に対する損傷を積極的障害とすれば、治療の遅延を招くような漫然とした施術は消極的障害3)提言
既に、1)において述べたように、カイロプラクティック理論、とりわけその中心的考え方となっている”サブラクセーション”については、医学用語でいうsubluxation(亜脱臼)とは異なるもので諸外国における長年の研究にもかかわらず未だ科学的定義が不明確であると言わざるを得ない。一方カイロプラクティックの有効性については、近年、英国において発表された論文を始めとして主観的な「痛みの軽減」等の主として自覚症状に基づいた有効性を示すデータはみられ、我が国においてもカイロプラクティックの有効性を主張あるいは認める者がいることも事実である。米国においては、D.C(Doctor of Chiropractic)と呼ばれる資格が各州毎に認められ、Medicareなどの医療保障制度の中にも、カイロプラクティック療法がその給付対象となっている。
しかしながら自然治癒やPlacebo効果を排した症状の改善、更には統計的処理に耐えられ、かつ再現性を有する客観的データに基づいた科学的評価が未だなさせていないのである。カイロプラクティックが我が国に紹介されて以来長い歴史を持ち、民間療法として一部定着しているが、医学的評価を得るためには、「客観性」「再現性」といった科学としての最低必要条件を満足できなければならない。
以上述べたように、カイロプラクティックに関する理論およびその客観的有効性は現時点では明確にすることはできない。我が国の国民の健康保持増進に寄与する施術として社会的に認知させるには、今後、科学的評価を受ける必要がある。従って今後も有効性の客観的評価について慎重な検討を続けていく必要があると考える。しかしながら、本研究会としては、国民の健康を守る立場から、少なくとも、カイロプラクティックが国民の健康に与え得る危険・障害については、明確にする義務があると判断し、以下、その整理をする。これらの危険性については、カイロプラクティックともいえる。また患者の疾病の原因や症状発生の機序を独断的・誘導的に説明することは、同じく治療の遅延や、正しい医療に混乱を招く恐れがある。
エ)誇大広告の規制
近年我が国における、いわゆるカイロプラクティックブームは、有効性を誇張したり、また短期間でカイロプラクティックをマスターできるといった誇大広告により商業的に創り出された側面もある。医療および医療類似行為に関しては、医療法により、その広告規制が厳しくなされているが、カイロプラクティックを始め、その他の民間療法については、規制が明確にされていない。
しかしながら、国民の健康を守る観点から、誇大広告を厳しく規制する方策がとられるべきである。
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